TOBBYの日記

#日常のインサイト

福澤諭吉がお札から消えるので☆書いてみた件①

※「学問のすすめ」の感想文とあわせて♪

 

時代背景と福澤の思想
学問のすすめ』が出版された当時は、廃藩置県・維新革命という改革の時代であり、社会制度や権力構造が急速に変化してゆく時代でした。また、強制的に鎖国体制が解かれ、国際社会の秩序に組み込まれてゆくために、洋学者や政府が積極的に西欧の政治・社会制度を輸入する社会改革の渦中でした。少し前まで封建的な社会体制が日本全土を支配していた時代に、国民に自由平等の思想を宣言した本書は、当時本書が大反響となったことからも分かるように、明治の人びとに大きな影響を与えたと思います。旧来の権力構造が崩れ世の中の価値観が大きく変わろうとしている中で、「学問こそが人々の優劣を分ける」と主張した福澤の思想は、当時としてはラディカルで新鮮だったと思われます。


学問と当事者意識
本書は学問の重要性を集団と個人の関係性という大きな枠の中で説明していますが、その根幹には「独立の意識を持て」という意味合いが強く含まれていると思います。福澤の「一身独立して一国独立す」という言葉は、国民に主体性を植え付け、国への依存心から解放させることが、国家形成へ働きかける外への力を養うために必要だという意味です。国が国際社会で独立していくためには、まず個人が学問を通じて物事の道理を理解し、判断する必要がある。とりわけ物事を成し遂げるために必要な実学の重要性を社会に訴えました。
もう一つ福澤の言葉に「独立自尊」があります。福澤のいう独立自尊とは、社会の道理を学び、自分ごととして考え、自分自身の環境に責任を持てということではないかと改めて考えさせられました。本書でも、国が悪政に陥っているのは、その政府を選択した国民に責任があると主張しています。
こうした集団と個人という文脈で語られる福澤の思想をビジネスの文脈に置き換えてみると、会社として強くなるためには個人が学問を通じて強くならなければならない、また個人は集団の問題を他責にするのではなく、自分事として考える必要があり、その為には学びを通じて個人の力を高め独立した人間でなければならないと訴えているのではないでしょうか。

 

※続く